
医療や健康を支える「看護職」と一口に言っても、実はさまざまな職種があることをご存知でしょうか。看護師、准看護師、助産師、保健師と4つの職種に分かれています。それぞれに独自の役割や専門性があり、活躍する場所や給料にも違いがあります。
看護職種の比較一覧表
4つの職種比較
| 職種 | 平均年収(目安) | 主な勤務先 | 必要資格・期間 | 勤務形態 | 特徴・メリット |
|---|---|---|---|---|---|
| 看護師 | • 新卒:350〜400万円 • 経験5年:400〜500万円 • 経験10年以上:500〜600万円 • 管理職:600〜700万円 |
• 病院 • クリニック • 訪問看護 • 介護施設 • 企業 • 学校 |
• 3〜4年の教育課程 • 国家試験 |
• 交代制勤務 • 夜勤あり • 夜勤手当:5,000〜10,000円/回 |
• 就職先の選択肢が最も多い • 専門分野での認定資格取得可能 • キャリアパスの多様性 |
| 准看護師 | • 新卒:280〜320万円 • 経験5年:320〜380万円 • 経験10年以上:380〜450万円 |
• 中小病院 • クリニック • 介護施設 |
• 2年の養成課程 • 都道府県試験 |
• 交代制勤務 • 夜勤あり • 夜勤手当:やや低め |
• 短期間で資格取得可能 • 実務経験重視 • 働きながら看護師資格取得を目指せる |
| 助産師 | • 新卒:380〜430万円 • 経験5年:450〜520万円 • 経験10年以上:520〜600万円 • 開業:600〜800万円 |
• 産婦人科病棟 • 産科クリニック • 助産院 • 母子保健センター |
• 看護師資格+1〜2年 • 国家試験 |
• 交代制勤務 • オンコール体制 • 不規則な勤務も |
• 自己開業が可能 • 専門性が高く評価される • 出産の場に立ち会える喜び • やりがいが大きい |
| 保健師 | • 公務員(市区町村):400〜550万円 • 公務員(都道府県):420〜580万円 • 企業:450〜650万円 |
• 市区町村保健センター • 保健所 • 企業 • 学校 |
• 看護師資格+1年または • 大学4年(保健師課程) • 国家試験 |
• 日勤中心 • 夜勤原則なし • 規則的な勤務 |
• ワークライフバランスが取りやすい • 予防医療の最前線 • 地域全体の健康に関われる • 公務員としての安定性 |
医療の最前線で患者さんと向き合う看護師から、地域の健康を守る保健師まで、看護職の世界は多様です。この記事では、求人を探せるサイトの案内とそれぞれの看護職の主な仕事内容や勤務先、給料・年収の違いについて詳しく解説します。看護職を目指している方や、キャリアチェンジを考えている看護職の方にとって参考になる情報をお届けします。
看護師の転職、失敗しない求人探し
豊富な非公開求人もある、自分にあった病院探しに間違いないサイトです
看護師 – 医療現場の最前線で活躍するプロフェッショナル

看護師は、医療チームの中核として患者さんの健康回復や維持を支援する専門職です。病院や診療所などの医療機関で最も多く見かける看護職と言えるでしょう。
主な仕事内容と特徴
| 業務カテゴリー | 具体的な内容 |
|---|---|
| 診療の補助 | 医師の指示のもとでの採血、注射、点滴、投薬など |
| 療養上の世話 | 食事、排泄、清潔保持などの日常生活援助 |
| 観察・アセスメント | バイタルサイン測定、患者の状態変化の観察と評価 |
| 患者・家族指導 | 病気や治療に関する説明、退院後の生活指導 |
| 医療チーム調整 | 医師や他職種との連携、カンファレンスへの参加 |
| 記録・報告 | 看護記録の作成、申し送り |
看護師になるためには看護専門学校(3年制)、短期大学(3年制)、大学(4年制)などで学び、国家試験に合格する必要があります。国家資格を取得することで、「看護師」として働くことができます。
主な勤務先
| 勤務先 | 特徴 |
|---|---|
| 病院 | 24時間体制の交代制勤務が基本。診療科によって業務内容が異なる |
| 診療所・クリニック | 主に日勤のみ。外来患者対応が中心 |
| 訪問看護ステーション | 患者の自宅を訪問して看護を提供 |
| 介護施設 | 入所者の健康管理や医療的ケアを担当 |
| 企業(産業看護師) | 従業員の健康管理や健康増進活動を実施 |
| 学校(養護教諭※) | 児童・生徒の健康管理や保健教育(※別途資格必要) |
給料・年収
看護師の給料は勤務先や経験年数、地域によって差がありますが、一般的な平均値は以下の通りです:
| 雇用形態・経験 | 平均年収(目安) |
|---|---|
| 新卒(大卒) | 350万円~400万円 |
| 経験5年程度 | 400万円~500万円 |
| 経験10年以上 | 500万円~600万円 |
| 管理職(師長級) | 600万円~700万円 |
※夜勤手当や住宅手当などの各種手当を含む総支給額
看護師の給料は夜勤の有無や回数によって大きく変わります。一般的に夜勤手当は1回あたり5,000円~10,000円程度で、月に4~8回程度の夜勤をこなす看護師も少なくありません。
准看護師 – 看護師を支える重要な存在

准看護師は、医師または看護師の指示のもとで医療や看護の業務を行う職種です。看護師に比べると業務範囲や権限に制限がありますが、医療現場で重要な役割を担っています。
主な仕事内容と特徴
| 業務カテゴリー | 具体的な内容 |
|---|---|
| 診療の補助 | 医師または看護師の指示のもとでの基本的な医療行為 |
| 療養上の世話 | 食事、排泄、清潔保持などの日常生活援助 |
| 観察・報告 | 患者の状態観察と看護師・医師への報告 |
| 環境整備 | 病室や治療室の環境整備 |
准看護師になるには、都道府県知事が指定した准看護師養成所(2年制)で学び、都道府県が実施する准看護師試験に合格する必要があります。看護師よりも短い期間で資格を取得できるのが特徴です。
多くの准看護師は将来的に看護師資格の取得を目指し、働きながら進学するケースも少なくありません。
主な勤務先
| 勤務先 | 特徴 |
|---|---|
| 病院 | 大学病院よりも中小規模の病院や地方の病院に多い |
| 診療所・クリニック | 地域のかかりつけ医などで活躍 |
| 介護施設 | 特別養護老人ホームなどの施設で医療的ケアを担当 |
| 訪問看護ステーション | 看護師とペアで訪問することが多い |
給料・年収
准看護師の給料は看護師よりもやや低い傾向にありますが、経験を積むことで差が縮まるケースもあります。
| 雇用形態・経験 | 平均年収(目安) |
|---|---|
| 新卒 | 280万円~320万円 |
| 経験5年程度 | 320万円~380万円 |
| 経験10年以上 | 380万円~450万円 |
※夜勤手当や住宅手当などの各種手当を含む総支給額
准看護師も夜勤勤務があれば夜勤手当が支給されますが、看護師と比較すると夜勤手当の額がやや低く設定されているケースが多いようです。
助産師 – 出産と女性の健康を支えるスペシャリスト

助産師は、妊娠・出産・産後のケアを専門とする看護職です。正常な経過の出産であれば医師の立ち会いなく分娩を取り扱う権限を持つ、高度な専門性を備えた職種です。
主な仕事内容と特徴
| 業務カテゴリー | 具体的な内容 |
|---|---|
| 妊婦健診 | 妊婦の健康状態の確認、胎児の発育状態の確認 |
| 分娩介助 | 出産の立ち会いと介助 |
| 産後ケア | 産後の母体の回復支援、授乳指導 |
| 新生児ケア | 新生児の健康チェックと基本的なケア |
| 母親・家族指導 | 育児指導、母乳育児支援 |
| 女性の健康相談 | 思春期から更年期までの女性の健康相談 |
助産師になるには、看護師の資格を取得した上で、助産師養成所(1年制)や大学の専攻科(1年制)、大学院(2年制)などで学び、国家試験に合格する必要があります。また、看護大学の中には助産師課程を設けているところもあり、卒業と同時に看護師と助産師の国家試験受験資格を得られるコースもあります。
主な勤務先
| 勤務先 | 特徴 |
|---|---|
| 総合病院(産婦人科) | チーム医療の一員として勤務。ハイリスク分娩への対応も |
| 産科クリニック・助産院 | より自然な出産環境での介助が中心 |
| 助産所 | 自身で開業または勤務。より自然な出産をサポート |
| 母子保健センター | 地域の母子保健活動を担当 |
| 市区町村の保健センター | 母子手帳交付や両親学級などを担当 |
給料・年収
助産師は看護師よりも専門性が高く、給料も一般的に高めに設定されています。
| 雇用形態・経験 | 平均年収(目安) |
|---|---|
| 新卒 | 380万円~430万円 |
| 経験5年程度 | 450万円~520万円 |
| 経験10年以上 | 520万円~600万円 |
| 管理職 | 600万円~700万円 |
| 開業助産師 | 収入に幅があるが、600万円~800万円程度も可能 |
※夜勤手当や住宅手当などの各種手当を含む総支給額
助産師も夜勤体制があることが多く、分娩が不規則な時間に発生するため、オンコール体制(呼び出し待機)を取っている施設も多いです。そのため、オンコール手当が支給されるケースもあります。
保健師 – 地域の健康を守る予防医療の専門家

保健師は、個人だけでなく地域社会全体の健康増進や疾病予防に携わる看護職です。病気になってから治療するのではなく、病気にならないための活動を中心としている点が他の看護職と大きく異なります。
主な仕事内容と特徴
| 業務カテゴリー | 具体的な内容 |
|---|---|
| 健康診断・検診 | 各種健診の企画・実施、結果に基づく保健指導 |
| 母子保健活動 | 乳幼児健診、育児相談、両親学級の開催 |
| 成人保健活動 | 生活習慣病予防、特定保健指導 |
| 高齢者保健活動 | 介護予防、認知症予防事業 |
| 感染症対策 | 感染症発生時の調査や対策、予防接種事業 |
| 精神保健活動 | こころの健康相談、自殺予防対策 |
| 災害時保健活動 | 災害発生時の被災者健康支援 |
保健師になるには、保健師養成課程のある大学や大学院、または看護師資格を取得した後に保健師養成所(1年制)で学び、国家試験に合格する必要があります。
主な勤務先
| 勤務先 | 特徴 |
|---|---|
| 市区町村保健センター | 地域住民の健康管理や保健事業を担当 |
| 保健所 | 広域的な健康課題や感染症対策を担当 |
| 企業(産業保健師) | 従業員の健康管理や職場環境改善を担当 |
| 学校 | 児童・生徒の健康管理や保健教育を担当 |
| 医療機関 | 退院支援や地域連携、健診センターなどで活躍 |
給料・年収
保健師の給料は勤務先によって大きく異なります。特に公務員として働く保健師は地域によって給料体系が異なるため、一概には言えない部分もあります。
| 雇用形態・勤務先 | 平均年収(目安) |
|---|---|
| 公務員(市区町村) | 初任給:22万円前後、年収:400万円~550万円 |
| 公務員(都道府県) | 初任給:23万円前後、年収:420万円~580万円 |
| 企業(産業保健師) | 年収:450万円~650万円 |
| 医療機関 | 年収:400万円~550万円 |
※地域や経験年数によって差があります
保健師の場合、公務員として勤務する場合は夜勤がないことが多く、規則正しい生活リズムで働けることがメリットの一つです。ただし、感染症発生時や災害時には緊急対応が必要となる場合もあります。
看護職種の比較 – それぞれの特徴とキャリアパス
ここまで各看護職種について見てきましたが、それぞれの違いを改めて比較してみましょう。
資格取得までの道のり
| 職種 | 必要な教育期間 | 受験資格を得るルート |
|---|---|---|
| 看護師 | 3~4年 | 看護専門学校(3年)、短大(3年)、大学(4年) |
| 准看護師 | 2年 | 准看護師養成所(2年) |
| 助産師 | 看護師+1~2年 | 助産師養成所(1年)、大学専攻科(1年)、大学院(2年) |
| 保健師 | 看護師+1年または大学4年 | 保健師養成所(1年)、保健師課程のある大学(4年) |
働き方の違い
| 職種 | 勤務形態 | 働く場所の多様性 | キャリアの特徴 |
|---|---|---|---|
| 看護師 | 交代制勤務が多い | 非常に多様 | 診療科の専門性や認定・専門看護師など多様なキャリアパス |
| 准看護師 | 交代制勤務が多い | 比較的多様 | 看護師資格取得による上位職種へのキャリアアップが一般的 |
| 助産師 | 交代制またはオンコール | やや限定的 | 開業という選択肢がある。女性の一生をサポートする専門家 |
| 保健師 | 日勤が中心 | 限定的 | 行政や企業での活躍。地域全体の健康を視野に入れた活動 |
向いている人の特徴
それぞれの看護職に向いている人の特徴も異なります。
| 職種 | 向いている人の特徴 |
|---|---|
| 看護師 | 臨機応変な対応力がある、チームで働くのが得意、幅広い医療知識に興味がある |
| 准看護師 | 実践的なケアが好き、着実に業務をこなせる、将来的に看護師を目指している |
| 助産師 | 女性の健康に関心がある、自然な出産をサポートしたい、自律して働きたい |
| 保健師 | 予防医療に関心がある、地域全体の健康を考えたい、長期的な健康支援がしたい |
看護職選びのポイントとアドバイス
看護職を目指す方や、現在の職種からキャリアチェンジを考えている方に向けて、いくつかのアドバイスをまとめました。
自分に合った看護職を選ぶためのチェックポイント
| チェックポイント | 具体的な質問 |
|---|---|
| 興味・関心 | どのような対象者(患者、妊産婦、地域住民など)と関わりたいか |
| 働き方の希望 | 勤務時間や勤務形態で重視することは何か |
| キャリアビジョン | 5年後、10年後にどのような看護職でありたいか |
| 得意なこと | コミュニケーション、教育、緻密な作業など自分の強みは何か |
| 環境の希望 | 大規模な組織か小規模な組織か、チームか個人プレーか |
キャリアアップのための資格取得
看護職として働きながら、さらにキャリアアップを目指す方法もあります。
| 目指す方向 | 主な資格・認定 |
|---|---|
| 看護師のスペシャリスト | 認定看護師、専門看護師 |
| 医療現場のリーダー | 看護管理者認定、認定看護管理者 |
| 教育者 | 養護教諭、看護教員 |
| 国際的な活動 | 国際看護師資格、TOEFL/TOEIC高得点 |
働きながらのスキルアップ方法
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 院内研修 | 勤務先で提供される各種研修プログラムへの参加 |
| 学会・セミナー | 外部で開催される学会やセミナーへの参加 |
| 認定資格取得 | 働きながら認定看護師などの資格取得を目指す |
| 大学院進学 | 働きながら大学院で専門的に学ぶ |
| 短期留学・研修 | 海外の医療施設での研修プログラムに参加 |
まとめ:多様な看護職で広がるキャリアの可能性
看護職には看護師、准看護師、助産師、保健師など様々な種類があり、それぞれに特色ある仕事内容や勤務先、給料体系があることがおわかりいただけたと思います。
医療の現場で患者さんと直接向き合う看護師、出産という人生の大きな瞬間をサポートする助産師、地域全体の健康を守る保健師など、看護職の活躍の場は実に多様です。
自分の適性や希望する働き方、将来のキャリアビジョンを考慮しながら、自分に合った看護職を選んでいくことが大切です。また、看護職の素晴らしい点は、キャリアの途中でも学び直しによって違う種類の看護職にチャレンジできることです。
医療や健康、福祉を取り巻く環境は常に変化していますが、人々の健康を支える看護職の役割は今後も重要性を増していくでしょう。あなたにぴったりの看護職を見つけて、充実したキャリアを築いていただければ幸いです。
詳細解説ページ



